展覧会|Exhibitions

広川泰士写真展「2023-2011 あれから」

TAISHI HIROKAWA Exhibition -2023~2011 AREKARA-

トップ画像:宮城県気仙沼市 2023年4月 ©Taishi Hirokawa

 

フジフイルム スクエアは、2023922日(金)から1012日(木)まで、広川泰士写真展「2023-2011 あれから」を開催いたします。広川泰士氏は、1974年、写真家として活動を開始して以来、ファッションや広告等の写真をはじめCM、映画撮影など多様なメディアで幅広い活躍を続ける一方、地方に暮らす人々にデザイナーズ・ブランドの服を着せて撮影した異色のポートレート『sonomama sonomama』や、自然と人工物の風景によって地球の営みと人間存在の関係性を問いかけた『BABEL-ORDINARY LANDSCAPES』など、独自の視点で多くの優れた作品を生み出し、高い評価を得ている写真家です。

本展は、2011年から現在まで、東日本大震災の被災各地の風景とそこに暮らす家族のポートレートという2本の軸で続けている広川氏の定点観測を初めて展示します。2011年の東日本大震災発生時、想像を絶する津波の被害の様子を知り、「何ができるかを考えていたが、気づくと体が動いていた」広川氏は、目的地も決めぬまま支援物資を積んだ車を北へと走らせていました。まだ水の引かない被災地には、水の中に浮かぶアルバムや写真、かつて家があった場所で家族の写真を探す多くの人たちの姿があり、広川氏の記憶に深く刻まれることになります。201110月地元での縁がつながり気仙沼市役所の一角で、撮影を希望する被災した家族の撮影会を無償で開催。以来、新型コロナウイルスの感染拡大で自粛を余儀なくされた期間を除き、現在に至るまで毎年、撮影会を継続しています。

並行して釜石、陸前高田、気仙沼周辺の定点観測撮影も12年間にわたり継続。今回、これらの記録と家族たちのポートレートを同時に展示することで、あらがいようのない大きな自然の力で破壊されたランドスケープと、根底から覆された人々の営みが、震災前とは姿を変えながら時とともに修復されていくプロセスを垣間見ることができ、震災からの12年間と今後に思いをいたす契機となる写真展です。

 


 

広川泰士プロフィール

神奈川県生まれ。世界各都市での個展、美術展への招待出展多数。写真集『sonomama sonomama』『STILL CRAZY nuclear power plants as seen in Japanese landscapes』『SOUNDS FROM THE PLANET -惑星の音-』『TIMESCAPES -無限旋律-』『Whimsical Forces -時のかたち-』『BABEL-ORDINARY LANDSCAPES』『Fuji Sun』 『Bus Stops in L.A. 1974-75』他。

講談社出版文化賞、NY.ADC賞、文部科学大臣賞、経済産業大臣賞、日本写真協会年度賞、東川町国内作家賞、他受賞。ロサンゼルス カウンティ美術館、プリンストン大学美術館、サンフランシスコ近代美術館、ミュンヘン レンバッハハウス美術館、フランス国立図書館、東京都写真美術館、東京国立近代美術館、他で作品が収蔵されている。

http://hirokawa810.com/

宮城県気仙沼市 2017年3月 ©Taishi Hirokawa

 


 

・支援物資を車に積んで駆けつけて目にした被災地の信じ難い光景を撮影して以来12年間、8×10インチサイズのネガカラーフィルムで「定点記録」を続けた気仙沼などの風景の変遷を展示します。

宮城県気仙沼市 2011年4月 ©Taishi Hirokawa

・本展の「定点観測」の視点からは、震災直後「瓦礫」が撤去され更地と化していく変化の速さと、コロナ禍もあり鈍化する近年の時の流れの対比を感じていただけます。

岩手県釜石市 2018年3月 ©Taishi Hirokawa

・12年間継続してきた被災地でのボランティア撮影会の家族写真からは、そこに暮らす家族の「定点観測的な」年輪と、運命を受け入れ毅然と生きる力を感じていただけます。

宮城県気仙沼市 2019年3月 ©Taishi Hirokawa

・防災のために建設された巨大なコンクリートの防潮堤や岸壁の写真は、まるでSFのような非現実性を感じさせ、今後ここに暮らす人々との共生のありかたを考えさせられます。

岩手県釜石市 2023年4月 ©Taishi Hirokawa

 


 

展覧会詳細

会 場 :FUJIFILM SQUARE (フジフイルム スクエア)
     〒107-0052東京都港区赤坂9丁目7番3号 東京ミッドタウン・ウエスト
      スペース1.2.ミニギャラリー

U R L:https://fujifilmsquare.jp/
会 期 :2023年9月22日(金)〜10月12日(木)
開館時間:10:00~19:00(入館は終了10前まで)
      ※会期中無休。
      ※写真点は止むを得ず中止・変更させていただく場合がございます。
入場料 : 無料
     ※企業メセナとして実施しており、より多くの方に楽しんでいただくために入館無料しております。

作品点数:8×10インチネガカラーフィルム、ラージフォーマットデジタルカメラGFX100Sからの
「銀写真プリント」と「モノクロ銀塩印画紙プリント」
主 催 :
富士フイルム株式会社

協 力 :広川事務所
企 画 :コンタクト

 

 


イベント

1 写真展開催記念トークイベント
~ 2023-2011あれから~
これまで広川作品の展示企画を手がけてきたインディペンデント・キュレーター菅沼 比呂志氏とご一緒に、お話をうかがいます。

日時:2023年10月 10日(火) 18:00 ~19:30 (受付開始・開場17:50)
会場:フジフイルム スクエア2F 特設会場にて
お話: 写真家 広川 泰士(以下敬称略)
ゲスト: インディペンデント・キュレーター東京工芸大学芸術学部写真学科教授 菅沼 比呂志
聴き手: 本展企画 佐藤 正子(コンタクト)
参加無料・先着150名(定員になり次第締切)
事前申込み:ウェブサイトまたはお電話にて 電話 03-6271-3350(受付時間10:00 ~18:00)

https://fujifilmsquare.jp/exhibition/230922_01.html

 

2 広川泰士ギャラリートーク
~定点観測で見えてくること~ 
気仙沼で家族のポートレートを撮影するきっかけを作った写真家・熊谷直子氏、気仙沼ファミリーフォトプロジェクトを主宰する菊田千詠氏とご一緒に、会場で展示作品を見ながら、お話しいただきます。
日時:2023年 9月 23日(土・祝) 13:00 ~13:50
会場:富士フイルムフォトサロン 展示会場内にて
お 話: 写真家 広川 泰士
ゲスト: 写真家 熊谷 直子/ 気仙沼ファミリーフォトプロジェクト主宰菊田 千詠
聴き手: 本展企画 佐藤 正子(コンタクト)

日時:2023年 9月 30日(土) 13:00~13:50
お話: 写真家 広川 泰士

聴き手: 本展企画 佐藤 正子(コンタクト)

参加無料・予約不要・定員なし
※座席はありませんので、ご了承ください

*写真展、イベントはやむを得ず中止・変更させていただく場合がございます。
ウェブサイト・電話でご確認ください。電話 03-6271-3350(受付時間:10:00 ~ 18:00)

https://fujifilmsquare.jp/

 

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宮城県気仙沼市 2011年10月 ©Taishi Hirokawa

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ソール・ライターの原点 ニューヨークの色

SAUL LEITER -Origins in color-

*トップ画像:ソール・ライター《無題》撮影年不詳 ©︎Saul Leiter Foundation

 

Saul Leiter生誕100年記念

 

Bunkamuraザ・ミュージアムで過去2回にわたって開催されたソール・ライターの展覧会は、“ソール・ライター風の写真”という言葉が市民権を獲得するほど、それまで日本ではほぼ無名だった写真家の名前を一気に知らしめ、大きな反響を呼び起こしました。

2023 年4月10日からのBunkamura 休館(オーチャードホールを除く)に伴い、Bunkamuraザ・ミュージアムは、ソール・ライター生誕100年を記念し、渋谷ヒカリエ9F・ヒカリエホールにて展覧会「ソール・ライターの原点 ニューヨークの色」を開催します。

50代でキャリアの表舞台から姿を消し、富にも名声にも一切の関心を示さず、淡々と自らの美意識に忠実に生きていたソール・ライターが80代になった2006年、世界中の写真ファンを魅了し続けるドイツのシュタイデル社から刊行された初の写真集『Early Color』によって、再び脚光を浴びることになります。2013年、ソール・ライターがこの世を去った時点で、その作品の大半は未整理のままでしたが、翌年に創設されたソール・ライター財団によって、アーカイブをデータベース化する「スライド・プロジェクト」が着手されました。未整理の作品はカラースライドだけでも数万点にのぼり、業績の全貌が明らかになるには、さらに十数年の歳月が必要とも言われています。没後にも関わらず、ソール・ライターは常に新たな発見が続く“発展途上” の作家でもあります。

本展では、新たに発掘された作品による大規模なカラースライド・プロジェクション、未公開のモノクロ写真、絵画など最新作品群を含む400点以上の作品を通して、これまで紹介していなかった知られざるソール・ライターの素顔と、「カラー写真のパイオニア」と称され世界中を驚かせ続ける色彩感覚の源泉に迫ります。

 


Saul Leiter

1923年12月3日、ペンシルバニア州ピッツバーグに生まれる。
父親はユダヤ教の聖職者。
1946年、画家を志し、神学校を中退してニューヨークへ移住。
1958年、ヘンリー・ウルフがアートディレクターに就任した
『ハーパーズ・バザー』誌でカメラマンとして仕事をはじめる。
その後、80年代にかけて『ハーパーズ・バザー』をはじめ
多くの雑誌でファッション写真を撮影。
1981年、ニューヨーク5番街にあった商業写真用の自分の
スタジオを閉鎖。

1993年、カラー写真制作のためイルフォードから資金提供を受ける。
2006年、ドイツの出版社シュタイデルが初の写真集
『Early Color』出版。

2008年、パリのアンリ・カルティエ=ブレッソン財団で
ヨーロッパ初の大規模回顧展開催。
2012年、トーマス・リーチ監督によるドキュメンタリー映画
「写真家ソール・ライター 急がない人生で見つけた13のこと」製作。
2013年11月26日、ニューヨークにて死去。享年89歳。
2014年、ソール・ライターの作品を管理する目的でソール・ライター財団創設。
2017年「ニューヨークが生んだ伝説 写真家ソール・ライター」展、
2020年「永遠のソール・ライター」展をBunkamura ザ・ミュージアムにて開催。

 

《ライトボックスを見るソール・ライター》2013年 ©︎Margit Erb

 


展覧会詳細

会 場 :ヒカリエホール ホールA(渋谷ヒカリエ9F)
〒150-0042 東京都渋谷区渋谷2-21-1
会 期 :2023年7月8日(土)~8月23日(水)※休館日無し
開館時間:11:00~20:00 ※最終入場は19:30まで

入  場  料:
一般/1,800円(前売/1,600円)
大学・高校生/1,000円(前売/800円)
中学・小学生/700円(前売/500円)

主 催 :Bunkamura、読売新聞社
企画制作:Bunkamura
協 力 :ソールライター財団
企画協力:コンタクト
後 援 :J-WAVE

※【同時開催】「平間至展 写真の歌ーPHOTO SONGSー」会場:同ヒカリエホールホールB とのセット券の販売を予定しています。詳細は決定次第ご案内いたします。

 


ソール・ライター《無題》撮影年不詳 ©︎Saul Leiter Foundation

 

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平間至展 写真のうた -PHOTO SONGS-

Itaru Hirama Exhibition -PHOTO SONGS-

*トップ画像:平間至《忌野清志郎》「NO MUSIC,NO LIFE.」2008年6月-7月 ©︎Itaru Hirama

 

 ロックな写真家であり続ける―

1枚の写真に生命の躍動を表現する

写真家・平間至による、

《音楽が聴こえる》作品の集大成!

 


タワーレコードのキャンペーン「NO MUSIC,NO LIFE.」をはじめ数多くのアーティストを撮影し、”音楽が聴こえてくるような躍動感のあるポートレート”により、それまでにない新しいスタイルを打ち出したと評価される写真家・平間至(1963年〜)。

本展は<写真と音楽>をテーマに、2020年に写真家生活30周年を迎えた彼の初期作品から、「NO MUSIC,NO LIFE.」やCDジャケットのために撮影された膨大なアーティストのポートレート群など200点を超える作品を一堂に展示。

ライフワークとして撮り続けているダンサー・田中泯の〈場踊り〉シリーズや、「家族の記憶を紡ぐ場」として写真が大きな役割を果たすことを再認識できる平間写真館TOKYOで撮影された作品をはじめ、2022年に京都と六本木で開催され大きな反響を得た展覧会ラインナップに新作を追加・再構成し、渋谷からお届けします。

 

*画像:《サンボマスター》CD「サンボマスターは君に語りかける」2005年 ©︎Itaru Hirama

 


 

展覧会詳細

会 場 :ヒカリエホール ホールB(渋谷ヒカリエ9F)
〒150-0042 東京都渋谷区渋谷2-21-1
URL     :https://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/23_hirama.html
会 期 :2023年7月8日(土)~8月23日(水)※休館日無し
開館時間:11:00~20:00 ※最終入場は19:30まで
入  場  料:一般/1,300円(前売/1,100円)

大学・高校生/600円
中学・小学生/400円

主 催 :Bunkamura
企画協力:コンタクト
協 力 :タワーレコード株式会社、富士フイルム株式会社、平間写真館TOKYO
後 援 :J-WAVE

 

※【同時開催】「ソール・ライターの原点 ニューヨークの色」会場:同ヒカリエホールホールA とのセット券の販売を予定しています。詳細は決定次第ご案内いたします。


 

画像:平間至《CHAI》「NO MUSIC,NO LIFE.」2021年5月-6月 ©︎Itaru Hirama

 


画像:平間至《岸田 繁》「NO MUSIC,NO LIFE.」2017年4月-6月 ©︎Itaru Hirama

 


 

 

 

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ポートフォリオレビュー/アワード 2022

富士フイルムフォトサロン 若手写真家応援プロジェクト


※フライヤーメイン画像


「ポートフォリオレビュー/アワード」は、45歳以下の写真家・写真家を志す方から作品を募集し、プロ写真家から作品に対するアドバイスをしていただき、優秀な作品に写真展開催の機会を提供するという企画です。富士フイルムが運営する若手写真家応援プロジェクトの新部門として開催しました。

今回、定員を大きく上回る応募をいただき、レビュワー4名による事前審査を通過した44名の参加者に対し、8月にオンラインによるレビューを実施しました。

9月には、一次選考を通過した12名を対象に、前回のアドバイス等を生かし、ブラッシュアップした作品にて、ファイナリストレビューを実施。
そして10月、アワード受賞者4名が決定しました。参加者1人1人とレビュワーとの熱い対話が、それぞれの今後の作品制作につながる良い機会となりました。

アワード受賞者は、各推薦写真家・企画者・富士フイルムのサポートを受けながら、富士フィルムスクエアでの個展に向けて準備を進めていきました。作品構成から告知物・展示物制作、搬入作業等、開催までのプロセスを丁寧に学び、完成させた4名の個展をお楽しみください。


展覧会情報 Details

 

入場無料・会期中無休

 

・東京展
会 場 :FUJIFILM SQUARE(フジフイルム スクエア)内 富士フイルムフォトサロン 東京 
              〒107-0052 東京都港区赤坂9丁目7番3号(東京ミッドタウン・ウエスト)
         TEL: 03-6271-3351

        URL:https://fujifilmsquare.jp

会 期 :2023年3月24日(金)〜4月13日(木) 会期中無休
開館時間:10:00〜19:00 ※最終日は14:00まで、入館は終了10分前まで

 

・大阪展
会 場 :富士フィルムフォトサロン 大阪 

              〒542-0076 大阪府大阪市中央区難波2-2-3 御堂筋グランドビル2階
       
 TEL: 06-6205-8000

        URL:https://www.fujifilm.co.jp/photosalon/osaka/
会 期 :2023年4月28日(金)〜5月11日(木) 会期中無休
開館時間:10:00〜19:00 ※最終日は14:00まで、入館は終了10分前まで

 

新型コロナウイルス感染拡大防止のため、掲載内容に変更が生じる場合がございます。最新情報は当館ホームページをご確認ください。

 


受賞作家紹介 Artist profile

・藏澄侑希「Labyrinthラビリンス(推薦写真家:大西みつぐ)

藏澄侑希 (くらずみ ゆうき)
1989年 山口県生まれ
日本大学藝術学部 写真学科卒業
元「週刊女性」編集部専属カメラマン
日本雑誌協会 編集委員長賞受賞

 

 

・水野景子「“Tokimekiトキメキmomentモーメント(推薦写真家:尾仲浩二)

水野景子(みずのけいこ)
1980年 岐阜県生まれ

2002年~看護師として総合病院にて働く。
2010年~ワーキングホリデーでニュージーランドへ行ったのを皮切りに、帰国後も日本で看護師の仕事をしながら、イギリスやアイルランドへの短期語学留学や福祉ボランティアの経験を経て、今に至る。
2021~2022年「LIFE,LOMO」
(東京・ギャラリー世田谷233)出展

2022年「intersection14」
(名古屋・#1010)出展、ほか出展多数。

 

 

・李 一鳴「日没前に」 (推薦写真家:広川泰士)

李 一鸣 (り いちめい)
1997年 中国・天津市生まれ
2020年 大学卒業後、東京へ留学。
以降、写真家として作品制作を行う。
2023年 武蔵野美術大学大学院
映像・写真コース在学中

 

 

 

・杉村友弘「友」 (推薦写真家:高砂淳二)

杉村友弘(すぎむらともひろ)
1982年 広島県生まれ

2007年 初めてイルカと泳ぎ、イルカと見つめ合いその瞬間を写真に収めたことを
きっかけに写真を本格的に始める。

主にイルカとクジラを撮影し、技術向上のため風景やダンス等も撮影する。
2011年 富士フイルムフォトコンテスト 第51回 自由写真部門 金賞受賞
2014年 地球の海フォトコンテスト 2014年 エリア賞 タヒチ賞受賞
2018年 日本テレビ「所さんの目がテン!」第1422回 イルカの科学 映像提供

 


富士フィルムフォトサロンHP:https://fujifilmsquare.jp/exhibition/230324_01.html

 

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福岡市美術館 「ニューヨークが生んだ伝説の写真家 永遠のソール・ライター」展

FOREVER SAUL LEITER

*トップ画像:「ハーパーズ バザー」 1959年2月号、銀色素漂白方式印画 ©Saul Leiter Foundation


 

2017年、Bunkamuraザ・ミュージアムで日本初の回顧展を開催し、大きな話題を呼んだ写真家ソール・ライター(Saul Leiter, 1923-2013)。1950年代からニューヨークでファッション・フォトグラファーとして華々しく活躍しながら1980年代に商業写真から退き、表舞台から姿を消した彼を、忘却の世界から呼び戻したのは2006年、ドイツのシュタイデル社から出版された『Early Color』でした。そのカラー作品は世界的な反響を呼び、当時すでに80歳を超えていたソール・ライターにとって、写真界への実質的な第2のデビューとなりました。
2013年、89歳でソール・ライターがこの世を去った後、40年以上にわたって彼の最愛の住処でありアトリエでもあったニューヨーク・イーストヴィレッジのアパートには、膨大な作品が未整理のまま残されました。
今回の展覧会では、2017年展覧会開催以降に、まさに”宝の山”のような未整理資料から発掘された未発表作品群を紹介するとともに、一人の写真家の生涯にわたるアーカイブを通して、ソール・ライターの秘密に迫ります。

 

Saul Leiter Fukuoka

 


作家プロフィール Artist Profile

 

Saul Leiter  (ソール・ライター)

1950年代からニューヨークで第一線のファッション・カメラマンとして活躍。58歳になった年、自らのスタジオを閉鎖。世間から姿を消す。80歳を過ぎた2006年に、ドイツのシュタイデル社によって出版された作品集を機に、再び写真会で脚光を浴びる。この新たな発見は大きなセンセーションとなり、その後、展覧会開催や出版が相次ぐ。2012年にはドキュメンタリー映画「写真家ソール・ライター 急がない人生で見つけた13のこと」(日本公開は2015年)が公開され、その名前と作品は多くの人に知れ渡る。

 

《グラフレックスを構えたセルフ・ポートレイト》1948年 ©Saul Leiter Foundation

 


展覧会情報 Details

会 場 :福岡市美術館
     〒810-0051  福岡市中央区大濠公園1-6

TEL:092-714-6051[代表]
URL:https://www.fukuoka-art-museum.jp
会 期 :2023年1月18日(水)~3月5日(日)
開館時間:9時30分~17時30分(入館は17時00分まで)
休館日 :毎週月曜日
入場料 :一般  1,500円、 中高生 1,200円、4歳〜小学生 700円
※障碍者手帳の提示者ご本人様と介助者の方一名は観覧無料

主 催 :テレQ
協 力 :ソール・ライター財団
企画協力:コンタクト、Bunkamura
協賛:学校法人麻生塾/富士フィルムビジネスイノベーションジャパン株式会社/福岡地所株式会社/株式会社筑豊製作所/株式会社みぞえ画廊/九州産業大学造形短期大学部/株式会社千鳥饅頭総本舗/久原本家グループ/株式会社ひよ子/西日本鉄道株式会社
後援:福岡県/福岡市/福岡県教育委員会/(公財)福岡市文化芸術振興財団/福岡商工会議所/FM FUKUOKA/CROSS FM/LOVE FM/九州旅客鉄道株式会社

問い合わせ:「永遠のソール・ライター展」公式ホームページ
URL:https://www.tvq.co.jp/event/saul_leiter_fukuoka/
「永遠のソール・ライター展」事務局(スリーオクロック内)
TEL:092-732-1688(平日10:00〜17:00)

新型コロナウイルス感染拡大防止のため、掲載内容に変更が生じる場合がございます。最新情報は当館ホームページをご確認ください。

 


 

 

《運転手》1950年代、発色現像方式印画 ©Saul Leiter Foundation

 

 

  《レミィ》 1950年代、ゼラチン・シルバー・プリント ©Saul Leiter Foundation

 

 

 

《黄色いドット》1950年代、発色現像方式印画 ©Saul Leiter Foundation


 

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鈴木清写真展「天幕の街 MIND GAMES」

Suzuki Kiyoshi - City of Tents, Mind Games

 

*トップ画像:出番を待つ象と女 ガンガーの由来、1980年〈天幕の街〉より ©︎Yoko Suzuki


フジフイルム スクエア 写真歴史博物館では、表現媒体としての写真集を唯一無二の次元に昇華させた写真家 鈴木清の作品展を開催いたします。

1960年代から70年代にかけて独自の展開を見せた日本の写真集は、近年、海外でも大きな注目を集めています。なかでも、約30年間の写真家活動の中で8冊の写真集(1冊以外はすべて自費出版)を発表した鈴木清(1943年-2000年)は、表現媒体としての写真集を唯一無二の次元に昇華させた写真家です。自らの手で綿密に編まれた多くのダミー本※で繰り返し行われた試行錯誤の後に世に提示された写真集は、そのいずれもが五感の歓びを呼び覚ますような強い存在感を放っています。

※ 写真集に使う作品のコピーやキャプションなどをレイアウトし本の形に綴じたもの。
写真集の設計図のような存在。

写真集『天幕の街』のための表紙案1982年

1943年、福島県好間村(よしま村 現・いわき市)の炭鉱町に生まれた鈴木清は、高校卒業後、漫画家を志して上京しますが、ほどなく絵の道を断念したその日、行李に入れて大事に持ってきていた土門拳の写真集「筑豊のこどもたち」に改めて惹かれました。そして、絵やグラフィック、漫画などと共通する“手によって創造する視覚分野”である写真に可能性を見出し、東京綜合写真専門学校に入学します。同校を卒業した1969年から翌年にかけて、『カメラ毎日』にてエネルギーの転換期に直面し、斜陽となっていく自身の原風景でもある各地の炭鉱を撮影した「シリーズ・炭鉱の町」を発表し、写真家としてデビュー。定時制高校に通いながら印刷所で働いていた経験を活かし、1972年、装丁やレイアウトまですべて自ら手がけた初の写真集『流れの歌』を自費出版します。

3冊目の自費出版となった1982年刊行の『天幕の街 MIND GAMES』は、それまで、すべて自分一人で手がけていた作業工程のうちデザイン、装丁部分を、初めてデザイナーの鈴木一誌に任せる試みがなされた写真集です。写真の組み合わせによって、写真の間から見えてくるものを大切にした鈴木清にとって、第三者の視点による再構築は自らの写真に新たな世界を発見する大きな契機になりました。1983年には、本写真集、同名展覧会により第33回日本写真協会賞新人賞を受賞しています。「サーカスの天幕」「A・Q・U・A 水声」「腐爛(ふらん)風景」「路上の愚者・浦崎哲雄への旅 1979-1981」の四部で構成される本写真集のタイトルは、幼い頃、父親とともに見に行ったサーカスの記憶に由来しています。サーカスの人々や路上生活者といった「漂泊者たち」のイメージは、鈴木清の記憶と夢をたどる旅のようでもあり、見る者を夢と現実の狭間に誘います。

本展「天幕の街 MIND GAMES」では、『天幕の街』所収作品約40点と、生前刊行された写真集のためにコピー本を綴じ合わせて制作された本人の手による貴重なダミー本を展示します。


鈴木清プロフィール

1943年 11月30日福島県石城郡好間村(現・いわき市)に生まれる。
1965年 福島県立平第二高等学校(定時制)を卒業後、漫画家を目指し上京。
1969年 東京綜合写真専門学校卒業。『カメラ毎日』に「シリーズ・炭鉱の町」を発表
(~1970年、全6回)。以後、看板描きをしながら写真家活動を続ける。

1972年 『流れの歌 soul and soul』(自費出版)刊行。
1976年 『ブラーマンの光 THE LIGHT THAT HAS LIGHTED THE WORLD』
(自費出版)刊行。

1982年 『天幕の街 MIND GAMES』(自費出版)刊行。
1983年 『天幕の街 MIND GAMES』写真集、個展に対して
第33回日本写真協会賞新人賞受賞。

1985年 東京綜合写真専門学校講師に就任。
1988年 『夢の走り S STREET SHUFFLE』(自費出版)刊行。
1991年 『愚者の船 The Ship of Fools』(アイピーシー)刊行。
1992年 『天地戯場 SOUTHERN BREEZE』(自費出版)刊行。
個展「母の溟」に対して第17回伊奈信男賞受賞。
1994年 『修羅の圏 Finish Dying』(自費出版)刊行。
1995年 第14回土門拳賞受賞。
1997年 手摺りリトグラフによるポートフォリオ『INDIA SONG』
(制作:WORKS・H)刊行。

1998年 『デュラスの領土 DURASIA』(自費出版)刊行。
2000年 3月23日、死去。享年56。


展覧会詳細

会 場 :FUJIFILM SQUARE (フジフイルム スクエア)
     〒107-0052東京都港区赤坂9丁目7番3号 東京ミッドタウン・ウエスト
会 期 :2023年1月4日(水)〜3月29日(水)
開館時間:10:00~19:00(入館は終了10前まで)
      ※最終日は16時まで。会期中無休。
      ※写真点は止むを得ず中止・変更させていただく場合がございます。
入場料 : 無料
     ※企業メセナとして実施しており、より多くの方に楽しんでいただくために入館無料しております。
主 催 :
富士フイルム株式会社

監 修 :鈴木洋子、鈴木光、鈴木遊
企 画 :コンタクト


スペインからやって来たジャグラの芸人
東京・千駄ヶ谷、1979年
<天幕の街>より

空中の秘芸・大一丁ブランコ、平塚
1979年
<天幕の街>より


 

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富士フイルム企画写真展 GFXChallengeGrantProgram2021〜Make Your Next Great Image〜

FUJIFILM Photo Exhibition

*トップ画像:「Photoreographia」©️Andras Dobi(GFX Challenge Grant Program 2021より

 

富士フィルムが主催する「GFX Challenge Grant Program 2021」は、世界各国で活躍するクリエイターの創作活動サポートを目的とした、新たな助成金プログラムです。
2020年11月から2021年1月の期間、全世界を5つの地域に分け、写真家が助成金を使って成し遂げたいクリエイティブなアイデアと制作テーマを撮影企画書にまとめて応募していただきました。
当初の想定を上回る約3,000件の応募は、非常によく練られた独創的なアイデアの数々で、選考・審査は難航しましたが、2022年3月に受賞15テーマを決定しました。
制作活動のサポートとして、「Global Grant Award」受賞者の5名には10,000ドル相当の助成金を、「Regional Grant Award」受賞者の10名には5,000ドル相当の助成金をご提供、さらに、制作に使用する機材として、富士フイルムラージフォーマットデジタルカメラシステムGFXを無償貸与させていただきました。そして、制作期間5ヶ月を経て、2022年8月ついに15作品が完成しました。
本展では、「GFX Challenge Grant Program 2021」を通じて制作された受賞者15名の作品を一挙展示いたします。世界各国から集まったオリジナリティあふれる写真・映像作品をお楽しみください。

 


 

※富士フィルムラージフォーマットデジタルカメラシステムGFXとは35mm判の約1.7倍となるラージフォーマットセンサーを搭載し、豊かな階調表現と浅い被写界深度による立体的な描写を可能とした、異次元の高画質をさらに身近にする画期的なミラーレスデジタルカメラシステムです。
https://fujifilm-x.com/ja-jp/products /gfx-series/
※助成金プログラムや受賞者および取り組んだ作品の詳細はこちらをご覧ください。

https://fujifilm-x.com/ja-jp/special/gfx-challenge-program/

 


展覧会詳細

・東京展
会 場 :富士フィルムフォトサロン 東京
〒107-0052 東京都港区赤坂9丁目7番3号(東京ミッドタウン・ウエスト)
フジフィルム スクエア内
U R L:https://fujifilmsquare.jp
会 期 :2022年11月4日(金)〜11月24日(木) 会期中無休
開館時間:10:00〜19:00 ※最終日は14:00まで、入館は終了10分前まで

・大阪展
会 場 :富士フィルムフォトサロン 大阪
〒542-0076 大阪府大阪市中央区難波2-2-3 御堂筋グランドビル2階
U R L:https://www.fujifilm.co.jp/photosalon/osaka/
会 期 :2022年12月15日(金)〜12月25日(日)
開館時間:10:00〜19:00 ※最終日は19:00まで、入館は終了10分前まで

以下共通
入館料 :無料
主 催 :フジフィルム株式会社

 

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