展覧会|Exhibitions

ロベール・ドアノー写真展
「パリ・アルプス 幸せな時間」

本展『ロベール・ドアノー写真展~パリ・アルプス・幸せな時間~』は、2012年、フランス・グルノーブルのギャップ美術館とドアノーの遺族によって監修された展覧会です。パリを舞台に「ドアノー劇場」ともいうべき世界を作りあげたロベール・ドアノーのもう一つの舞台、それがアルプスです。パリっ子たちのヴァカンスの場として、広告写真の背景として、そして自らの創作の実験場として、アルプスは写真家・ドアノーのエッセンスがいかんなく注ぎ込まれた山でもありました。カラー写真やコンタクト・シートを含む約120点で構成された本展は、ロベール・ドアノーの新たな一面を見せる展覧会として大きな話題を呼びました。

日本巡回展にあたっては、清里フォトアートミュージアム所蔵のドアノーの代表作であるパリをとらえた作品や芸術家たちのポートレイト作品、さらに“家族のヴァカンス”という文脈から、ドアノーの娘たちや動物たちを撮影した写真をもとに、1956年に子供向けの絵本として出版された『1,2,3,4,5  遊びながら数えよう』のヴィンテージプリントを合わせて展示します。

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子どもたちの時間 植田正治とロベール・ドアノー

植田正治とロベール・ドアノーは、それぞれが最も愛した地、山陰とパリを舞台に多くの傑作を残しました。生来の実験精神と遊び心で写真表現を追求した二人には、多くの共通ワードを見出すことが出来ます。その一つが「子ども」です。

本展では、ドアノーのご遺族の協力を得て、世界初公開の作品を含む約70点を植田作品と併せて展示、その作品創造の秘密に迫ります。フランスは、植田独特の表現スタイルをいち早く認めた国であり、1996年、植田は同国から芸術文化勲章を受賞します。写真生誕の地でもあるフランスの国民的写真家ドアノーとの二人展は、植田の生誕100年を祝う最高のオマージュとも言えるでしょう。

植田正治写真美術館の単独開催となる本展は、20世紀を代表する二人の偉大な写真家の魅力を同時に堪能できる貴重な機会です。写真という「魔法のメディア」が生み出した彼らの「愛しきもの」のイメージは、私たちに多くの感動と喜びを与えてくれるでしょう。

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